【即レスは誠実さの証ではない】友人を軽くほったらかそう

「返事遅いよ……」

このまえ友人に言われた一言。

LINEのメッセージが来てから3時間後の返事は遅いと言われました。まあ仕事の連絡ならわかるけど……ただの友人間の連絡じゃん! もっと気楽にさせてよと思いました。

もしあなたが仮に、LINEで既読がついているのに返事がないことに「返事が遅い」という意見を持っているならば、ぼくが断言しましょう。

返事は遅いほうが断然良いです。

「返事が遅れました」は個人によって、おおいに時間差がある

ぼくはLINEを仕事のツールとして使っており、毎日だいたい20人くらいの人と連絡しています。そこで気がついたのは、人によって「返事が遅れる」と言う時間が異なること。例えば1時間返事をしなかっただけで遅れましたと話す人がいれば、3時間以上返事をしなくても遅れたと言わない人がいるのです。

時間という概念が人によって違うのは当然かもしれませんが、これはとても面白い。こういった両極端の人達を観察してみると、遅れました><と言う時間の間隔が早い人ほど、SNSにどっぷり浸かっている人か、責任感の強い人だと思います。特に前者は「返事の早さ」こそ全てと考えている人もいるでしょう。

では自分自信はどうなのか? 考えてみると、返信はかなり遅いです。もちろん、10秒で相手に返すこともあれば、3時間経ってから相手に返事をすることもあるし、3日間見てみぬふりをすることもあります。(丁寧に返事をしようと思っています)

ただ一つ言えることは、できるかぎり「返事を遅らせよう」としているのはたしかです。

いまは誰もがLINEをコミュニケーションのツールとして使っていますよね。LINEには既読という機能があり、既読であっても返事をしないことを「既読無視」と呼ばれています。これは、「早く返事しなきゃ」「早く返事こないかな。無視されてるのかな」という人間の心理にグッと近寄ってくる。既読にならずにメッセージを読む方法なんていうのもハウツーとしてメジャーになっているのですから、もはやこれはいつ社会問題になってもおかしくはありません。

しかし社会問題というよりは、これがこれからのコミュニケーション文化として当たり前になっていくのでしょう。 そうであるならば、あえてすぐに返事をしないのはどうでしょうか? ぼくは、あえて受け取ったメッセージへの返事を遅らせていますが、そこにはなんの悪意はありませんし、返事を遅らせるという行為に対する罪悪感もありません。だから、相手をけっしてほったらかそうとも、ぞんざいに扱っているわけでもないです。あえて返事を遅らせる意図は、いまの人たちは人間関係を重視しすぎていると思うからです。

人間関係を尊重しすぎているSNS時代

SNSの普及によって、いままでのリアルではありえなかった人たちと繋がることができるようになりました。浅く広く人間関係が広がっていくように思えるその一方で、一つひとつのコミュニティでは、人はより深く繋がっていくのがSNSの傾向でしょう。これに対して東浩紀さんは『弱いつながり 検索ワードを探す旅』で以下のように述べています。

ぼくたちはいま、ネットのおかげで、断ち切ったはずのものにいつまでも付きまとわれるようになっている。強い絆をどんどん強くするネットは、ぼくたちのそのなかに閉じ込める機能も果たす。(中略)即レスがつねに誠実さの証なわけではないのです。 

「即レスは誠実さの証ではない」という言葉からわかるように、現代の、特に若者は他人に気を遣いすぎています。もちろん。これは否定の意見ではありません。他人のきもちを考え行動できるのはむしろ良いことでしょう。しかし、コミュニケーションにおいて即レスを他人に求めるのは違うと思います。それでも心理的欲求で他人に求めてしまうからこそ、SNSが普及した時代に生きる私たちは他人とゆるく繋がり、友人を軽くほったらかす必要があるのだと思います。

さいごに

東浩紀さんはこれを「人間関係を必要以上に大切にするな」と述べていました。 まずは誠実に相手をほったらかすことで、相手との調度良い距離感を保つことできるようになるのかもしれませんね。

 

弱いつながり 検索ワードを探す旅

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